劇団印象-indian elephant- 第29回公演​「カレル・チャペック ~水の足音~」

2022.10.1

闘争か共生か。軍靴の足音が迫るプラハ、母語によって分断される国民。
その荒波に抗った、“言葉”を愛した芸術家たちの群像劇。

2022年10月7日(金)~10月10日(月・祝)
会場:東京芸術劇場シアターウエスト
作・演出:鈴木アツト

[劇作家より]
『ロボット(R.U.R.)』『山椒魚戦争』で知られるチェコの劇作家・小説家カレル・チャペックと、チェコスロバキア共和国内に住む、ドイツ語話者たち(ズデーテン・ドイツ人)との関係を描きたいと思い、この物語を書いている。

チェコスロバキア共和国は、第一次世界大戦中の1918年に、ハプスブルク(オーストリア)帝国の解体によって生まれた新しい国だった。しかし、新生の共和国は領域内に、様々な民族を抱え込んでいた。特に、ハプスブルク帝国時代に支配言語であったドイツ語の話者たちは、チェコ時代になって、二級市民扱いされたことによって不満を溜め、軋轢が生まれていった。その鬱屈は、二十年をかけて大きくなっていき、やがて、ドイツ語話者が多く住むズデーテン地方をナチスドイツに割譲するという、ミュンヘン協定に繋がっていく。

同じ土地を故郷に持ちながら、母語が違うというだけで、分断されていく国民たち。文化は言語を通して生まれ、育まれる。だからこそ人間は母語に誇りを持つ。しかし、同じ言葉を喋らない人々に対して不寛容になり、時に恐怖心さえ持ってしまう。母語は、個人のアイデンティティーと分かち難く結びつき、“よそ者”を作り出す、人間の原罪の一つだ。チャペック兄弟の人生を借りながら、この母語と国家をめぐる物語を届けたいと思う。

公演日程

2022年10月7日(金)~10月10日(月・祝)
10月7日(金)14:00 / 18:30
10月8日(土)13:00 / 18:00★
10月9日(日)13:00 / 18:00★
10月10日(月・祝)13:00

受付開始は開演の60分前、開場は開演の30分前。
★印:終演後アフタートーク(約30分)実施。
​​上演時間:2時間15分(休憩なし)

★アフタートークゲスト
10月7日(金)18:30 沈池娟(シム・ヂヨン)(翻訳家、ドラマトゥルク)
トークテーマ:「劇作家とドラマトゥルク、その共同作業の先に見える景色とは?」
10月8日(土)18:00 阿部賢一氏(東京大学准教授、『ロボット RUR』(中公文庫)翻訳者)
トークテーマ:「カレルとヨゼフ チェコが生んだ偉大な兄弟の実像とは?」
10月9日(日)18:00 出演者座談会(出演者が、歴史劇を演じる際の役作り等について語ります。)

会場

東京芸術劇場シアターウエスト
(〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-8-1)

キャスト

二條正士:カレル・チャペック
根本大介:ヨゼフ・チャペック
岡田篤弥:フランティシェク・ランゲル
今泉舞:オルガ・シャインプフルゴヴァー
山村茉梨乃*:アレナ・チャプコヴァー
岡崎さつき:ヤルミラ・チャプコヴァー
柳内佑介:ヤン・マサリク
井上一馬:トマーシュ・マサリク
勝田智子:ギルベアタ・ゼリガー
*=劇団印象-indian elephant-所属

アンサンブル
河波哲平、佐藤慶太、佐藤勇輝、星野真央、堀慎太郎、松浦プリシラ亜梨紗

チケット

全席指定/前売・当日共通/消費税込
一般:4,500円
U-25:3,000円

☆初回割(10/7(金)14:00の回)
一般:4,000円
U-25:2,500円

*U-25は25歳以下が対象です。当日、年齢のわかる書類をお持ちください。
*未就学児童のご入場はご遠慮ください。
*やむを得ぬ事情により、公演情報等に変更が生じる場合がございます。
*ご入場時の検温、マスク着用にご協力ください。発熱や体調不良が認められる方はご入場をお断りする場合がございます。予めご了承ください。
*車椅子席のご希望の場合は、J-Stage Naviまでお問い合わせください

アーカイブ・オンライン配信

■配信期間:10月18日(火)12:00~10月31日(月)23:55 / 視聴チケット:¥2,000

スタッフ

作・演出:鈴木アツト
ドラマトゥルク:沈池娟(シム・ヂヨン)
舞台美術:佐々波雅子
舞台監督:(株)ステージワークURAK
照明:篠木一吉((有)創光房)
音響:斎藤裕喜(Québec)
衣裳:仲村祐妃子
小道具:西宮紀子
ヘアメイクプラン:西藤恭子
振付:山村茉梨乃
演出助手:小杉咲貴、モカ
宣伝デザイン:沼上純也(イヰマ)
宣伝イラスト:大野舞”denali”
舞台写真:菅原康太
音楽・制作:村上理恵
制作協力:J-Stage Navi
協力:オフィスニュース エンパシィ krei inc. イッツフォーリーズ
オールスタッフ ALBA ビクターミュージックアーツ
後援:チェコセンター東京
文化庁「ARTS for the future!2」補助対象事業
企画・主催:特定非営利活動法人 劇団印象indian elephant​


令和4年度北海道戯曲賞 最終候補作