リーディング公演『クミの五月』出演者決定!コメントあり

2025.5.18

リーディング公演『クミの五月』、出演者決定!

2025年9月8日に座・高円寺2にて上演する、リーディング公演『クミの五月』の出演者が、決定しました。

佐乃美千子、岩崎正寛、赤江隼平、木下綾夏、藤井咲有里、坂本容志枝、茜部真弓、加古みなみ、笹良まゆ、上村聡、大塚航二朗、滝沢花野

以上の12名です。

出演者のコメントは下記の通り。

佐乃美千子(ジョンヨンの母役)コメント
この作品には普通のおじさんとおばさんが沢山出てきます。人々の生活のなかに突然に暴力が入り込んで来るとき、成す術もなく、自身の生活も家族も守ることも出来ない。そんな市井の人々の視点から「光州事件」みつめる作品だと私は解釈しています。  私はこのリーディングで、大学生の息子と、高校生の娘をもつ母親を読みます。誰かの母である全ての人へ、そして、誰かの息子、娘である全ての人へ、心を込めて物語を届けたいと思います。

岩崎正寛(ジョンヨンの父役)コメント
想像を超える現実が資料として残っていて、資料をもとに現実を紐解くと更に想像を超えている、史実に基づいた作品に携わるとき、よくそんな感覚に囚われます。昨年末に韓国の友人と連絡を取り合いました。彼は「びっくりしました、でも1980年代の戒厳令時とは国民意識が違いますね、幸い笑えないハプニングで終わりましたが」と言っていました。こう話してくれた友人と地続きに作中の登場人物たちがいたことを考えながら、この戯曲にチャレンジしたいと思っています。

赤江隼平(ジョンヨン役)コメント
劇団印象さんの公演に今回初めて関わらせて頂くことになりました!演出の鈴木アツトさんと作品作りをご一緒できることすごく嬉しく思います。今回はリーディング公演ということで、朗読とは全く別物、動きのある舞台ともまた別の要素、魅力があると思っています。俳優達があまり動かない分、観ている皆様の想像力を最大限に刺激することができ、よりキャラクターの発するセリフや物語のストーリーに没頭できる素敵な空間になることが魅力なのかなと。皆様に深く物語の中に入り込んでもらえるように精一杯頑張りたいと思います!

木下綾夏(クミ役)コメント
劇団印象公演に初めて参加いたします、クミ役の木下綾夏です。最初に台本を読んだ時、力強い言葉の数々と鬼気迫る彼らの描写に涙が止まりませんでした。当時の手記をもとに書かれたこの戯曲を日本人の私が演じることにじわじわと緊張を感じながらも、最後までクミが見た世界と真摯に向き合いたいと身が引き締まる思いでいます。昨年12月、光州事件以来45年ぶりに戒厳令が発動された記憶も新しい今だからこそ、多くの方に見ていただきたい作品です。

藤井咲有里(市場の奥さん役)コメント
光州事件に向き合う機会をいただきました。 劇団印象での創作は、いつも私に新しい視野と深い思考を与えてくれます。今回は韓国の戯曲に座組の皆さんと共に取り組むわけですが、わずか45年前に隣国で起こった事件はここまで悲惨な出来事だったのか…と、深く知らなかったことを恥じると共に、触れたことのない歴史や世界に出逢う度に演劇の魅力を実感します。今回の公演が、皆様の新たな視点となることを願っています。ご来場こころよりお待ちしております。

坂本容志枝(市場の奥さん役)コメント
2011年冬に韓国へ。水道の水も氷るような釜山では、一日中稽古をしました。韓国の魅力は熱さ、正直さ。3か月の滞在で、釜山、金海、密陽、居昌で公演を行った事はいい思い出です。時を経て『クミの五月』が舞い降りてきました。さてこれからです!どんな声になるのか。そして最近読んだ滝沢修さんの本「俳優の創造」が私の中にすんなり入ってきました。戯曲と俳優の創造を楽しみながらトライしたいです。

茜部真弓(市場の奥さん役)コメント
昨年に続いて劇団印象のリーディングに参加できること、また、ずっと取り組んでみたいと思っていた韓国の戯曲に挑戦できることが大変嬉しいです。権力が市民に暴力をふるう。今まで生きてきた中で考えもしなかったことが、何かのきっかけで私たちにも起こるかもしれない可能性を思うと、すっと背中が寒くなります。このような状況に置かれたとき、自分はどういう行動を取るのだろうか…誠実にオンマーのバイタリティと勇気に向き合いたいと思います。

加古みなみ(市場の奥さん役)コメント
光州事件について、「韓国の光州で起こった民主化運動」という教科書の一文程度の知識しかなかった私でしたが、戯曲を読み、この事実について調べれば調べるほどに、ここに何を書けばよいのかわからなくなっています。実際に光州事件に関わった作者だからこそ書くことの出来たこの戯曲。ここに登場する、あの日あの時光州に生きていた人々のことばを、真摯に届けられるようにつとめたいと思います。

笹良まゆ(市場の奥さん役)コメント
本作品の主軸となっている「光州事件」は、韓国で発生した民間弾圧の事案ですが、事件の発生が1980年というのはごく最近のことのようで、他人事には感じられません。当たり前に暮らしている日常の歯車が狂っていってしまったら、私はどうするんだろう。どうなるんだろう。そんな思いが駆け巡ります。劇団印象の1ファンとして、昨年9月のリーディング公演に引き続き、今回出演できることをとても嬉しく思っています。国、人、歴史、言語、文化等々多様に吸収して、韓国戯曲の上演に取り組んでまいります。

上村聡(チェ氏役)コメント
自国のことも満足に知らない不勉強なわたしですので、韓国の民主化についてもぼんやりした知識しか持ち合わせず、調べながら少しずつ台本を読んでいます。苛烈な時代。読めば読むほど登場人物たちに親しみを覚え、彼らの怒りをすこしだけ理解できたような気がする。わたしが生きるこの世界に、同じように暮らす人々を感じられるようになっていく。世界を知るきっかけを、たとえば戯曲から得ることがある。声に出したわたしの言葉がその一端を担うかもしれない。そのようなことを考えながら稽古を重ねていけたらと考えています。

大塚航二朗(カン氏役)コメント
日本の「与えられた民主主義」と韓国の「勝ち取った民主主義」。同じ民主主義でも大きく異なる成り立ちに、個人としては後者の成り立ちにどこか憧れに似た感情を抱く。まるで高温の鉄を幾度となく叩いて出来上がった刀のような輝きがある。与えられた日本の民主主義は塗装だけのハリボテになってはいないか。韓国の民主化の話であるこの作品を通して私たちはこの運動の熱を体感し、お届けます。そして改めて民主主義とは何かを再考するきっかけになればいいのかなと思ってます。

滝沢花野(ト書き)コメント
45年前の光州事件を扱った韓国戯曲で、市井の人々から見た民主化運動を描いています…というとちょっと遠い話のように思えます。でも、自分たちの平和な生活が失われたら? 特に「政治」によって脅かされたら? 家族や知人が巻き込まれたら? そう考えていくとなんだか切実な、身近な問題に思えてきます。ただでさえなんだか怒りを感じるニュースの多い昨今です。見て見ぬふりなどできるのだろうか…。まずはこの史実を元にした物語を、リーディングという形式を活かして、お客様と一緒に想像し、感じ、考えていけたらいいなと思っております。